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12月「ベルヴィル家の聖務日課書」

「ベルヴィル家の聖務日課書」では神学的思想がピュッセルによって図像化されている。原本の暦は11、12月しか残されていないが、絵解きや残されている写本によって復元できるらしい。
右は12月。下部には旧約の預言者ザカリア(左)と使徒聖マタイ(右)。預言者と使徒は月によって変わる。
信仰箇条の巻物を左手に持つ使徒は、右手で預言者の持つ預言が書かれた巻物の覆いを剥ぐ。預言の意味が使徒によって解明され信仰箇条として実現することを表す。
預言者はユダヤ教会の建物からレンガを使徒に渡すために抜き取る。ユダヤ教会は月が進むにつれて崩れ、12月には崩壊している。ユダヤ教会に象徴される旧約の教えからキリスト教の教えに変わっていることを表している。
上部左側では聖母が信仰箇条が描かれた旗を振り、聖パウロが諸民族(12月はヘブライ人)に教えを説く。右はこの月の行事「月次行事」、斧で枯れ木を切っている。
ドメニコ会士の構想をピュッセルが視覚化、明瞭なページにまとめたとされる。